くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
「こんなん簡単だろ。鈴本、包丁持ってみろよ」
うむむ、このまんま野島に負けっぱなしは悔しい。
男の子の方が器用なんて、あたしには納得できない。
そう考えたあたしは野島から手を差し出して包丁を受け取った。
いつも慣れた握り方で包丁を持った瞬間。
「ストップ! おまえ握り方ちげーよ」
野島からストップがかかり、なによと睨みつけると、彼はあたしのすぐ隣に膝を着いて手を出してきた。
「ほら、この親指と人差し指が変な握り方になってっから力の加減を間違えんだよ。ここはこうやって指を添えればいい」
野島の指導が入ったから渋々とそれに従った時、彼はあたしの指の位置を直すために触れてきた。
その瞬間、どくんと心臓が高鳴る。
その後も鼓動がとくとくと速く浅くて、なぜか頬が熱く感じる。
変……変だよあたし。
なんでこんなに野島の存在を意識するのよ。
こいつはただのクラスメートで、今日はあたしを助けてくれた恩人で。
それなのになんでこんな風に親しくしちゃってるのよ!?
野島の話し声が耳にかかって、あたしは嫌でもそこに意識がいってしまう。
うむむ、このまんま野島に負けっぱなしは悔しい。
男の子の方が器用なんて、あたしには納得できない。
そう考えたあたしは野島から手を差し出して包丁を受け取った。
いつも慣れた握り方で包丁を持った瞬間。
「ストップ! おまえ握り方ちげーよ」
野島からストップがかかり、なによと睨みつけると、彼はあたしのすぐ隣に膝を着いて手を出してきた。
「ほら、この親指と人差し指が変な握り方になってっから力の加減を間違えんだよ。ここはこうやって指を添えればいい」
野島の指導が入ったから渋々とそれに従った時、彼はあたしの指の位置を直すために触れてきた。
その瞬間、どくんと心臓が高鳴る。
その後も鼓動がとくとくと速く浅くて、なぜか頬が熱く感じる。
変……変だよあたし。
なんでこんなに野島の存在を意識するのよ。
こいつはただのクラスメートで、今日はあたしを助けてくれた恩人で。
それなのになんでこんな風に親しくしちゃってるのよ!?
野島の話し声が耳にかかって、あたしは嫌でもそこに意識がいってしまう。