透叫
「白さん?何かあったの?」
高宮の沈黙に耐え切れず、もう1度そう訊ねた樹乃に、高宮はやっと応えた。
だがその応えは樹乃が予想もしない一言だった。
「樹乃、別れてくれ」
「えっ?」
何を言われたのか理解できず、樹乃は頭の中で高宮の言葉を反芻した。
別れてくれ…
わかれてくれ…?
……別れる!?
「なんで!?」
やっと言われたことを理解した途端、激しい動揺と疑問が樹乃を襲った。
なんでいきなり!?
どうして!?
必死に原因を探そうと、最近の自分の行動を思い返してみる。
昨日の夕食に白さんの嫌いなグリーンピース入れたから?
でも、ちゃんと食べてくれたし…。
じゃあ、この前私の服と一緒に洗濯したせいで、白さんのYシャツがピンクになったから?
でもでも、次の日お店に着てきてくれたし…。
何がいけなかったの?
ほんの十数秒の間にそれだけ考たが、混乱しているせいでまともな考えが浮かばない。
高宮はそんな樹乃を知ってか知らずか、冷静に低めの声で告げた。
「自分の身体にでも聞いてみたらどうだ?」
その言葉に、必死に巡らせていた樹乃の思考は完全に停止した。