私はヴァンパイア
「学園の寮に入るのか?」

ローズは少し気になった。

龍は親を早くになくし、双子の弟は人間で一緒には居られない。

「ああ」

教科書を広げながら龍は答えた。

キーンコーンカーンコーン

今日の授業が終わった。

「ふー、人間の授業は底レベルだなー」

ローズは龍にむかって言った。

「それを承知の上でここに来たんだろ、ローズ。」

呆れたように言った。

「ああ、まあな」

それにしても予想以上だった…

「私はそろそろ寮に帰る」

こいつとはあまり長話をしていたく無いからな

ガタっと音を立てて椅子から立ち上がったが、龍に腕を掴また

「待て」

「…何龍?」


やっぱり…

さっきから気になって居たけど…龍の目が

血色に底光りしてる

「あ…いや、何でもない」

今まで飢えをため込んでいたな

「来て!」

私は龍の手を引き人気の無い中庭の校舎の影へ龍を連れて行った。


「生徒達を襲って騒ぎを起こされては困る」

自分の制服のボタンを2つ外した

こいつには言えないけど本当は…

私は…

龍が心配なんだろうな

「ローズ」

あっ……龍の牙が……

「つっ……」

ヴァンパイアに血を吸われると…

体が……しびれ…

「んん……あっ…」

何か前より…… ずいぶん持ってかれてる気がする…


足がガクガクする…

体の力が抜けて……

「あっ……龍…」

ローズは地面に座りこんでしまった

「わりいローズ!」

龍は、はっとして私の顔を心配そうに見た。

「大丈夫だ」

私は立ち上がろうとしたが、上手く足に力が入らなかった

「寮まで送ってやる」

そう言って龍は私を抱きかかえた。

自分の顔が少し熱くなっているのがなんとなく分かった。




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