今すぐここで抱きしめて
どうしよう、まだ飯田くんとの話は途中で、


『あ、もしかして誰かと一緒か? まぁ誕生日だもんな。またにするよ』


えっ、ウソ!


「あの、1時間……、ううん、40分待ってて。すぐ帰る!」


まくし立てるように一気に言うと、山瀬さんはクスッと笑って、


『待ってる』


そう言って電話を切った。


帰らなくちゃ……


話はまだ途中だけど、今日は逃げよう。


だって、いきなりだったし、同じ職場だからそれなりにやんわりと断らないと後々やりにくいし。


飯田くんには申し訳ないとは思うけど、今日はもう考えられない。

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