今すぐここで抱きしめて
中の様子はいつも通りで一人どぎまぎしていたのがバカみたいに思えた。


「歩美さん、もしかして飯田さんと何かあったんですか?」


「え!? なんで!? 何もないよ!」


背中合わせのデスクで仕事をしている彩ちゃんがイスごと隣に滑り込んでそう言った。


いつもポワンとしているのに、こういう事にだけはやけに敏感で、


「わ、そのピアス素敵!!」


そして、目ざとい。


彩ちゃんの良くとおる声が室内に響き渡った。


周辺の席の人なんかも、どれどれと覗き込む始末。


「もしかしてプレゼント!?」


「え、うん、まぁ……」

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