sweet memory
その日の放課後
「花菜、やっと帰ってきた」
「ごめんね、穂波ちゃん」
「あの冷酷王子様と知り合いだったなんて、ビックリよ」
「私もりっくんがあんなに人気があるなんてビックリしたの。
中学の時もモテてたけど、あそこまでは凄くなかったし、りっくん高校に行ってからはあまり学校のこと話してくれなかったから…」
「中学生の頃から知り合いだったの?」
「知り合いったいうか…」
花菜が言いかけたその時、穂波は急に叫びだした。
「ごめん!今日、お兄達に呼ばれてるの忘れてた。ヤバい…急いで帰らないと…」
「そうなんだ」
「花菜の話、ちゃんと聞きたかったんだけど…ごめんね。明日、ちゃんと聞くから!」
「あ、うん…」
「じゃぁね」
穂波は慌ただしく教室を飛び出していった。
それを見計らったかのように、集団が花菜に近付いてきた。