sweet memory
「ねぇ、あんた」
「一体どういうつもりなわけ?」
「えっ?」
「1年の分際で律様に近付くなんて、許されるとでも思ってるの!?」
「私は…」
「はぁ!?私達に口答えするつもり?」
「マジ、有り得ないんだけど」
花菜を取り囲んでいる集団のリーダー的存在であろう人物が、花菜のことを突き飛ばした。
突き飛ばされたことによってバランスを崩した花菜は、そのまま床に倒れてしまった。
「っ…」
「いいこと?今度、律様に近付いたら、こんな事じゃ済まさないわよ」
「私達を差し置いて、律様に近付くなんて100年早いのよ」
そういうと、集団は教室を出ていった。
花菜はそっと立ち上がり、呆然と立ち尽くしていた。
「どうしよう…」
「花菜?」
「!…あかねちゃん」
教室に入ってきたのは、花菜の兄である創の婚約者であり、雨宮兄弟にとっては幼なじみの進藤あかねであった。