水ノ宮の陰陽師と巫女
仮装行列の日、この日はとても天気が良かった。
青空で、日差しが強く、秋とは思えないほどの気温だ。
教室内では、みんなの衣装を配り、各々が着替え始めた。
真理は昨日に続いて、アリス役。と言っても、山車に乗っているだけなのでそれほど負担はかからないだろう。
ふんわりしたドレスを纏った真理は、相変わらずお人形さんのようにかわいらしさと、大人っぽさが漂っている。
男子の8割はトランプ兵。後は山車を引く方に回っている。
今日の天気で、ウサギの仮装の私は暑い。
教室に、担任の佐伯先生が来て、
「用意できたら、早く校庭へ行くように」
と、一言いい、教室内を見回していた。
そんな中、声がした。
「ほつれてるところあるー!誰か、針と糸ない?」
と、佳織の声が聞こえ、振り向いた。
佳織の方へ私は歩み寄り、
「昨日、衣装点検しなかったの?」
と、つい口を出してしまった。
「だって、昨日、カフェ忙しかったじゃん? 点検なんてしてないわよ。疲れてすぐ帰っちゃったし……」
「はぁ……」
と、呆れてため息をついてしまった。
「一応言っておくけど、出かける前の針、使わない方がいいわよ」
間髪入れずに、佳織が
「だってほつれてるんだし?これじゃずり落ちるじゃない!」
ほつれた部分を見ると確かに、佳織の言うとおりだ……。
同じウサギの衣装だが、左肩の合わせ目のところが半分ほどほつれ、離れている。
このまま歩いていたら、確かに見栄えも悪いし、肩からずり落ちる可能性はある。
仕方ないので、安全ピンを渡したが、
「安全ピンで留めたら、余計にカッコ悪いじゃん?やっぱり縫い付けちゃうよ」
ガンとして佳織は、きれいに縫い付けて着たいようだ。
「やめときなって。縫うのは。裏側から安全ピンで留めたらわからないでしょ?」
「いーやーだ!楓の言いたいことって、迷信のことでしょう?」
「出かける前に針使うと良くないよってこと?」
「そう!迷信じゃん。そんなの!信じるだけ無駄でしょ?」
こうなると、佳織は手が付けられない。
一応忠告したんだし、あとはどうなっても私には知らないことだ。
「あとで、何かあっても知らないわよ?」
そう言い、佳織から離れ、校庭へと向かった。
青空で、日差しが強く、秋とは思えないほどの気温だ。
教室内では、みんなの衣装を配り、各々が着替え始めた。
真理は昨日に続いて、アリス役。と言っても、山車に乗っているだけなのでそれほど負担はかからないだろう。
ふんわりしたドレスを纏った真理は、相変わらずお人形さんのようにかわいらしさと、大人っぽさが漂っている。
男子の8割はトランプ兵。後は山車を引く方に回っている。
今日の天気で、ウサギの仮装の私は暑い。
教室に、担任の佐伯先生が来て、
「用意できたら、早く校庭へ行くように」
と、一言いい、教室内を見回していた。
そんな中、声がした。
「ほつれてるところあるー!誰か、針と糸ない?」
と、佳織の声が聞こえ、振り向いた。
佳織の方へ私は歩み寄り、
「昨日、衣装点検しなかったの?」
と、つい口を出してしまった。
「だって、昨日、カフェ忙しかったじゃん? 点検なんてしてないわよ。疲れてすぐ帰っちゃったし……」
「はぁ……」
と、呆れてため息をついてしまった。
「一応言っておくけど、出かける前の針、使わない方がいいわよ」
間髪入れずに、佳織が
「だってほつれてるんだし?これじゃずり落ちるじゃない!」
ほつれた部分を見ると確かに、佳織の言うとおりだ……。
同じウサギの衣装だが、左肩の合わせ目のところが半分ほどほつれ、離れている。
このまま歩いていたら、確かに見栄えも悪いし、肩からずり落ちる可能性はある。
仕方ないので、安全ピンを渡したが、
「安全ピンで留めたら、余計にカッコ悪いじゃん?やっぱり縫い付けちゃうよ」
ガンとして佳織は、きれいに縫い付けて着たいようだ。
「やめときなって。縫うのは。裏側から安全ピンで留めたらわからないでしょ?」
「いーやーだ!楓の言いたいことって、迷信のことでしょう?」
「出かける前に針使うと良くないよってこと?」
「そう!迷信じゃん。そんなの!信じるだけ無駄でしょ?」
こうなると、佳織は手が付けられない。
一応忠告したんだし、あとはどうなっても私には知らないことだ。
「あとで、何かあっても知らないわよ?」
そう言い、佳織から離れ、校庭へと向かった。