道なき恋
悩み
「もしもし、こんばんは、お疲れさまです。」

まだ少しぎこちなさが残る。

「おつかれ〜 電話ありがとう 」

「今、何処に居るの?」

「癒やしスポットですわ」

「え? なにそれ?何処にあるの?」

璃子とは、仕事が終わると良く電話で話していた。

「ねぇ いつも思ってるんだけど、

もしかして、

私の終わるのを待ってくれてるの?」

と聞いてきたので

「そうだよ!

いつも璃子が終わるのを待ってるよ!

何で?」

昔なら絶対に

「違うよ、絶対にそん事無いよ」

って言うな。

「無理に合わせなくても良いよ。

仕事が……
終わるの何時になるか分からないし……

でも……

ありがとう。」

「うん。
でも良いんだ。

待ってたいんだ…

声…

聞きたいから」

「え?

だって朝は仕事場で会ってるよ」

「いつも一緒に居たいんだよ」

何でだろう?

璃子の前だと

素直に言葉か出てくる。

何日も電話で話している日々が続いた。

ある日、いつもの様に電話をしようとしたら

璃子からメールが来た。

「今

終わりましたよ〜

ねぇねぇ

今日も電話で話しをするなら、

いっそのこと会わない?

そっちに行っても良い?

明日は日曜日だし、

一緒にご飯でも行きませんか?」

と書いてあった。

「そうだね。

じゃあ○○駅で

ご飯でも食べようか?」

と書いて返信した。

「うん、バスで行くから待っててね」

バスにするか歩いて行くか、
考えながら1度コンビニ寄った。

ビールを片手にコンビニをでてきた所で、この辺に会社の後輩が住んでる事を

ふっと思い出した。

後輩に急いで、電話をかけて自転車を借りる事にした。

「ごめん。

自転車を貸して欲しいんだ。」

と後輩に電話をいれた。

「急にどうしたんですか?」

「ほら!

例の飲みに行った女性と○○駅で会う事

になったんだけど

足が無くて…

悪いんだけど

自転車を貸して欲しいんだ。」

「分かりました。……良いですよ。」

少し間があったが

貸してくれるみたいだ。
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