道なき恋
「家賃が4万円台で、

2部屋か収納が多い所って

ありますかね?」

そんな条件の部屋なんて、

ある訳が無い。

「ありますよ。」

「あるのかよ!」

ってボソッとつ込みを入れた。

「2部屋は流石にありませんが、

収納の多い部屋ならありますよ。」

と言いながら、

椅子から立ち上がり書類の入っている

棚に手をかけた。

しばらくすると、

私達の前に戻って来た。

幾つか書類を机の上並べて、私達に

「条件に合う物件は、

こちらになりますね。」

ニッコリっと微笑んで言った。

「2人で住むには、狭いですよ。」

私達は、顔を見合わせて、

「…わたし1人ですよ…」

璃子がそう言って、私を見た。

今は、まだ1人だけど、いずれは…

と言いたげだった。

「因みに、…後…4万円を足すと

どう言った物件がありますか?」

と私がたずねた。

「え?……」

璃子は戸惑っていたが…

「そうですね。」

また席を立って、

物件の書類を探しに行ってくれた。

「まーくん…何を言ってるの?

本気なの?」

と囁いた。

「…近い将来…には…」

話の途中に彼女が戻って来た。

「8万円台でしたら、結構な物件が、

ありますよ。」

と机に並べながら言った。

「本当に因みにですよ。」

と私が言ったら、彼女は、

"分かってますよ"という顔で、

私をチラッと見た。

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