道なき恋
「やっぱり収納が少し狭いし、

電気コンロが、これじゃね…」

電気コンロが古いタイプだったので、

お湯を沸かすのも時間がかかる。

私達が、話し合いをしていたら、

「すいません。やっぱり大家さんと

連絡が取れないので…」

彼女が申し訳なさそうに言って来た。

「すいません…ここはちょっと、

荷物が入り切らないと思うので、

違う部屋を見せて貰っていいですか?」

璃子がそう言って、

さっさと、部屋を後にした。

部屋に鍵をかけてから、

車に戻って行った。

「次は、どちらを見ますか?」

と言いながら地図を見ていた。

「大家さんと、

連絡が取れない物件の方が近いね」

と私が言ったら、

彼女は不思議がっていた。

「良く分かりますね?」

そう言って、

バックミラー越しに私をチラッと見た。

「え?あ!」

まずったかな?と思ったが、

「ドライバーさんだから、

地図の見方が早いんですよ。」

先に璃子が答えた。

「そうなんですか?

ドライバーなんですか。」

彼女が、璃子に聞き返した。

「そうなんです。ねぇ!まーくん。」

私にあいづちを求めてきた。

「そうだね。」

と1言だけ答えた。

「では、次は、こちらの物件で」

彼女は車を走らせた。
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