社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。



しっかりと、私の手を包むように握る大きな手。



(…手、つなぐの初めてだ)



思えば、キスしたことは数回あるのに手をつないで歩くのは初めてなことに気付く。



どうして、だろう。

この手の体温ひとつで、キスより近く彼を感じるのは。





『氷室のことなら、やめておけよ』

『こんな奴好きになるのだけは、やめておきなさいってコト』





拓真にも彼自身にも

やめておけ、そう言われた。



だけどきっと、無理。

本当の彼を見つけてしまったから

その温もりを、感じてしまったから

もうどんなに言い聞かせても、嫌いになんてなれない。



ただひたすらに心が叫ぶ。



あなたが、好き








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