Summer again with
『…わかってるもん。ナツは、私のことそんなふうには思ってないでしょ』
唇を尖らせて言うと、ナツは苦笑いしながら『そーだね』と言った。
『どっちかっていうと、妹みたいかな』
…わかってる。
けど、伝えたかった。
一年ナツのことを思って、頑張った私に、ご褒美として。
少しだけしょぼんとする私を、ナツはじ、と見つめる。
彼を見ると、綺麗な瞳とぶつかった。
『…十七に、なったら』
呟かれた言葉に、私は眉を寄せる。
十七に、なったら…?
ナツは少し真剣な顔をしたあと、ふ、と微笑んだ。
『…未海が十七になったら、考えてやるよ』
…えっ…
『ほっ、ほんとに!?』
目を見開いて身を乗り出すと、ナツは優しく笑った。
『そんときになんなきゃ、わかんないけど』
『ううん!嬉しい!頑張る!私、頑張る!』
十七に、なったら。
あと二年したら、ナツにもう一度告白できる。
そのとき、いい返事がもらえるように。
『その前にお互い、受験だけどな』
遠い目をするナツに、一気に元気を取り戻した私は『大丈夫!』と叫んだ。
『受かるよ!私、勉強頑張るから!来年、笑顔で会おう!』
私の言葉に、ナツが目尻を下げて笑う。
『未海、それ約束な?』
受かってなかったら会わないから、というナツに。