悪魔の彼





彼女は最初にフロウを見つけたようで、怪訝そうな顔をした。




「あんた、誰だい?」



そして首を私の方に巡らすと、目を大きくした。



「どうかしたの?」



「実は貴女にしか頼めないお願いがありまして……聞いていただけませんか?」





もう一度フロウを見た彼女は、会ったことがあるのに気がついたらしい。



腕をくみ、考え込む仕草をした。



「とにかく入りなさい。ゆっくり話しましょう。」




腕を解いたフランテは優しく言うと、腕を部屋のなかに伸ばした。



その手に導かれて私達は部屋へと進んだ。






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