悪魔の彼
彼は触れられたくなかったらしく、必死に話題を反らそうとしていたらしい。
しかし、今のフランテの一言でそれは失敗してしまった様だ。
顔をしかめた彼は、王座へと戻って行った。
「予想はついています。これだけの顔ぶれが揃えば、することは祝い事と………あれだけ。」
ローブの裾を引っ張り、ぴしっとさせてから椅子に座り直す彼。
「それで、私は何をしましたかね?そこまで気にくわないことかい?」
目は軽く伏せられていて、少し物悲しげな表情をしている。
そんな時、前へ歩み出たのは、私ではなかった。
フランテでもない。
ヨーギリアスでも、リナでも、カリウスでも無かった。
前へ出たのは、ラギールだった………