悪魔の彼
ラギールの背中は意外と大きいと初めて知った。
「私からお話いたします。父上…」
ラギールはしっかりと前を見据えて、静かにしかしはっきりと言った。
すると、ふと後ろを見て私に了解をとるように目で問い掛けてきた。
王に気がつかれないように私はそっとうなづく。
決心をよりいっそう強くしたラギールはまた前に向き直った。
「私達が此処にきたのは、みんな一つの理由です。」
息を呑む
この時のために、ここにきて王にこの話しをするためにいろんな事があった。
今首についているペンダントが、そのことを物語っていた。
「私達の願いは一つに。イアを解放してもらう事です。」
そして王の表情が変わった。