悪魔の彼
まるで一人一人の声が枯れてしまうのではないかと思うほどの歓声が、アイリウス一人に向けられている。
この部屋は、中からは外がみえるが、角度の関係で外からは中が見えないようになっているため人々の顔がよくみえた。
その顔はどれも喜びに満ちているように見えた。
これ以上無いくらいの歓迎は、アイリウスの両手が静かに上げられることでおさまった。
「諸君、なんと苦しいことだろうか?私は諸君に話していないことがある。しかし、君達は私との久しぶりの再開を喜んでくれた」
ひっそりと静まりかえる王宮
ニアの魔法で響くように加工された声は、どこまでも、どこまでも聞こえるような声だった。
「そして、なんと嬉しいことだろうか。いまここに、それを話すことが出来るのだ。」
誰も口を開くことはない
「私は民衆のまえに姿をあらわさなかった。しかし諸君の信頼は変わらないでいてくれた。だからこそ、全てを話そう。」
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