悪魔の彼





みんなが食い入るようにアイリウスを見つめるのがわかった






「一つ目だ。私の妻、そして王妃であり女王のニアは、長い間記憶を失っていた。それは、シルヴィアがいなくなったことが原因だ。」




少しざわめく王宮



集まった人達の殆どが、顔を真っ青にして悲劇を歎いた。


それをまたアイリウスが両手で制する。






「しかし、今


















彼女の記憶は戻った!」













その言葉と同時に、ニアが優雅な足どりでバルコニーへと踊り出た。



本当に舞うように、踊るように






「皆さん、心配をかけました。お久しぶりです。この再開を本当に嬉しく思います。」







『わぁぁぁぁぁ!!!』





地に響くような歓声が、今度はニアに向けられる。






ニアは優しく慈悲深いほほえみを浮かべた。



正面からでなく、斜め後ろから見ているにも関わらず、太陽のような輝きを感じた。










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