悪魔の彼




その微笑みに誰もが魅了され、見とれてしまった。





「もう記憶は全て戻りました。ありがとう、本当にありがとうございます。」





「そして、私は大きな誤解をしていたのだ。それは息子のことだ」








アイリウスの続ける言葉に、皆誰のことか察したようだった。




次に紡がれる言葉が一体どんなものなのか、空気が不安で包まれていくのがわかった。








「私は、今イアを自由の身とし、追わせてしまったラギールのその役目も解くことに決定した!」






隣でイアとラギールが立ち上がった。




「シルヴィア、次はあのバルコニーで。待ってるよ……」







優しく、勇気づけるように言った二人も、ニアのように優雅でいてそれに加えて力強い足どりでバルコニーへと向かった。








『わぁぁぁぁぁ!!!』


『きゃーーーっ!!!』







彼等がでていくと、大きな歓声の中に悲鳴に近いような黄色い声が混じった。









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