素敵な上司とキュートな部下
「どうしたんですか?」


そんな香川の反応に加奈子は首を傾げた。加奈子には、特別な事を言った覚えはない。香川の容姿に関する客観的な感想……、と言うよりも事実を述べたに過ぎないと、自分では思ったから。


「いや、その……不意打ちだったんでね。驚いたし……嬉しいよ」

「はあ」

「まさか君からそんな風に言ってもらえるなんて、思ってもみなかったから……」

「そうですか?」


今の香川はいつもの彼らしくなく、顔を赤くして照れたような様子は、まるで10代の少年みたいだなと加奈子は思った。香川なら、容姿を褒められる事などは珍しくもなんともないはずなのに、いったいどうした事なのか……


加奈子には、それが不思議でならなかった。

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