素敵な上司とキュートな部下
「主任、寒くないですか?」


しばらく走ったためエアコンの効きが良くなり、車内はだいぶ涼しくなっていた。


「ちょっと、そうかも……」

「ですよね? 今日の主任は薄着ですからね……。設定温度を少し上げますね?」


そう言って、大輔はコンソールに手を伸ばしながら、加奈子のむき出しになった真っ白な太腿に目を走らせた。


「やっぱり車にして正解だったなあ」

「そうね? これから電車で富士山に、ってわけには行かないものね?」

「それもありますけど……」


大輔はエアコンの設定温度を2度ほど上げ、手をハンドルに戻すともう一度加奈子の太腿に目をやった。


「他の男どもに見られずに済むからです」

「…………何を?」

「主任をです」

「わ、私? どういう事?」

「特にその脚です。アパートへ行く途中、男どもがスケべな目で主任の脚を見るんで、僕はイライラしてたんです」

「そうなの?」

「はい。でも、今はこうして僕が独り占めですけど……」


大輔はそう言ってジーッと加奈子の太腿を見つめた。


「ちょっと、前! 前向いて運転してよ!」

「おっと、危ない危ない……」

「もう……」


大輔は草食系なんかではなく、普通に女の子が好きな“男”である事に、加奈子は気付くのだった。

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