もう一人のあたし。
あたしの歩調に合わせて、ゆっくり歩いてくれる紘大。




毎日のことなのに、毎日おんなじようにドキドキする。




ぽつりぽつりと交わす会話に、ときどきふっと見せる笑顔。



ずっとこんな日々が続けばいいなって、毎日思ってた。



でも、


いつかは、紘大にも――――?





「・・・ね、紘大」



「ん」



「彼女とか、欲しくないの?」




ふと、思ったことを口にする。



すると、紘大は困ったように、



別に。



なんて言ってカバンを肩にかけなおした。



そんな姿にすら、どきっとする。







―――ねぇ、

こんなに好きなのも、

どきどきしてるのも、



私だけなの?

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