『一生のお願い、聞いてよ。』


先生『原中さん?』

「………」

先生『原中さん?!』

「あ、ごめん、ぼーっとしてた」

先生『何て言われた?』

「大丈夫だって、少し子宮に傷があるみたい。でも、治療すれば治るって」

先生『そっか、よかったね!』


先生の笑顔も、まっすぐ見れなかった。


治療をすればなおる。

子どもだって生めるかもしれない。


あたしは、必死に笑顔を作って先生に笑い返した。





そのあとすぐ、お母さんが病院にきてくれて、先生は帰っていった。


お母さんにも、先生に伝えたように伝えた。



お母さんはすごく心配してくれた。



お母さん『もう!あんまり無理しないでよね!子ども生めなくなったりしたらどうするの?!今日はゆっくり休みなさい!』




お母さんの心配する言葉も、あたしを苦しめた。





家について、ベッドに横になった。



(勇治…)


勇治にだけは、伝えよう。




そう決めて、勇治に電話をかけた。






プルルルル…プルルルル…プルルルル…




(やっぱり…出ない…)



プル…『もしもし』



「出た!!あ。」


つい、思った言葉が出てしまった。



勇治『…なに?』


勇治の言葉は、とても冷たかった。




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