『一生のお願い、聞いてよ。』
言葉が出なかった。
『治療を真面目にちゃんとしていれば、ちゃんと治りますよ』
「ほ、ほんとですか?」
『ええ、心配なさらなくても』
少し、安心はしたけど、やっぱり怖かった。
子どもができないって、もし治らなかったら?
あたしは女じゃなくなるの?
あたしは、男でもない、女でもないモノになるの?
考えると、すごく怖かった。
診察室を出て、先生の隣に座った。
先生『どうだった?』
『こら!走り回らないの!』
『これ見て見てー!』
『分かったから、ここに座ってなさい』
『はーい』
『絵本でも読んであげよっか』
『わーい!』
さっきまで、微笑ましかった光景も、お腹が大きな妊婦さんも、生まれたばかりの小さな赤ちゃんも、全てが、真っ黒に見えた。
悔しさと妬みの渦にぐるぐるとかき回されているような感覚だった。