『一生のお願い、聞いてよ。』
話したら、笑ってくれるの?
キタナイって思うんでしょ?
話したら、前のりょうくんに…
「りょうくん」
『ん?』
「これ」
レシートを渡した。
りょうくんは黙って受け取って、広げた。
『え?タバコに興味持っちゃった?』
「うん、少し」
『おすすめはしないよ、やめれないし、お金もかかるし体にも影響出るし』
「………」
『……わぁったよ、一本だけな?』
りょうくんは、SEVEN STARと書かれたくしゃくしゃの箱から一本取り出した。
『はい』
りょうくんはあたしにタバコを一本手渡した。
「ど、どうやって吸うの?」
『くわえて、少し吸いながら火をつけるんだよ』
言われた通りに口にくわえると、りょうくんがライターを近付けてきた。
『吸って』
勢いよく吸ったところに、火がついた。
煙が一気に口の中に充満した。
「げほっげほっ」
『最初は多分みんなむせるよ。そのまま、吸って肺まで入れて、吐くんだよ』
すーーーっ
ごくん
「あ、げほっげほっ」
『飲みこむんじゃねえよ(笑)普通に吸って吐くだけだよ』
もう一度吸ってみた。
すーー
煙が肺に入って行くのが分かった。
はーー
『そうそう』
りょうくんは、そう言って、前を向き直した。
タバコを吸うりょうくんの横顔は、やっぱり笑ってなんかなかった。
「……………」
『……………』
「アイス…」
『え?』
「アイスを買いに行ったの」