『一生のお願い、聞いてよ。』
『いらっしゃいま…』
(カルピスでも買おうかな~)
店員の声も聞こえないほど、ぼーっとしていた。
カルピスを見つけたけど、ちょっと先に雑誌でも見ようかなと、雑誌が並んだ場所へ歩いた。
隣には、同じ年くらいの男の子が何か読んでいた。
きれいな黒髪をツンツンと立てた鼻が高いきれいな男の子。
(イケメンじゃん)
あたしは雑誌に目を向け、雑誌を軽く読んでいた。
『ねぇ』
「ん」
隣の男の子から声をかけられ、横を向いた。
『中学生?』
「うん」
『何年?』
「2年」
『タメじゃん』
「そうなんだ」
『何してんの?』
「散歩してた、ちょっと休憩」
『暇ならどっか行かね?』
「は?」
『俺も暇でふらふらしてたんだよねー』
「へー」
めんどくさくて、その場を離れた。
(イケメンだけど軽っ)
カルピスを取りに行くと、その子もついてきた。
『どこ中?』
色々と聞いてくるけど、無視した。
カルピスを手に取ってレジに向かった。
男の子もついてくる。
財布をバッグから取り出して、財布を広げた。
『148円…です』
財布からお金を出そうとした時、何となく店員の顔を見た。
そこに立っていたのは、りょうくんだった。