『一生のお願い、聞いてよ。』
~~~~♪
ケータイの着信で目が覚めた。
もう、10月になっていた。
寝惚けながら電話に出た。
「もしもしー」
『………』
「誰ー?」
『あ、わりぃ、気付かなかった(笑)勇治だけど!』
「勇治?どうしたのー?」
『学校全然こねぇから今お前んちの前にいる!』
「なんで?!」
あたしは慌てて飛び起きた。
『心配だったからさ、お前大人しいし、何か悩みあっても人に話したりしてねぇんじゃねぇかなって思ってさ、悩みあるなら俺が聞こうと思ってさ!』
勇治はクラスの中心的人物。
そんな勇治が前、遊びに誘ってくれたのに引き続き、今度は悩みを聞きに来るなんて、信じられなかった。
「ちょっちょっと待って!着替えだけさせて!」
『おう(笑)』
あたしは電話を切ってバタバタと着替え、玄関を開けた。
『おす』
「お、おはよ」
『おはよって(笑)もう4時だけど(笑)』
「え」
そんなに寝てたんだ!!
恥ずかしいー!
『あがってもいい?』
「あ、いいよ!」
勇治はキョロキョロと家の中を見渡しながら靴を脱いだ。
「あ、ここあたしの部屋」
玄関からすぐ隣の部屋を指差したら、勇治は自ら部屋のドアを開けた。