『一生のお願い、聞いてよ。』


(もう家に帰ってるかも!!)



あたしは勇治の家の方向に走った。


勇治の後ろ姿が見えた。


走り回ったせいか、疲れて声が出ない。

とにかく、勇治のとこまで行こう。



勇治に向かって走った。

少しずつ勇治の姿がはっきり見えてきたとき、勇治が右の道へ入り込んでしまった。



(え?!勇治んちそっちじゃないじゃん?!どこ行くのよ!ちょっと待ってよ!)


心で思うだけで声が出ない。


「はぁ…はぁ…げほげほっ…はぁ…はぁ…」


足と横腹が痛い。

タバコ吸ってるせいか、体力も全然ない。



勇治が見えなくなって、気持ちは焦るのに、体は動かない。




(あーーーー!!もう!!!)


勇治に電話をかけようと立ち止まったけど、ケータイも何もかも置いて手ぶらで来てしまっていた。



(もう!!!!)




また走り出そうとしたとき、さっき勇治が入って行った道から勇治が出てきた。




(勇治!!)



勇治のすぐ後ろから、真央が出てきた。




(え?真央?)




なぜか慌てて影に隠れてしまった。


状況が把握できない。



(って!なんであたし隠れてんの?!あたし彼女じゃん!!)



って思っても、勇治たちの前に出る勇気は出なかった。



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