『一生のお願い、聞いてよ。』



気付くと、もう朝だった。


「やばっ、遅刻する!」


慌ててシャワーを浴びて学校の用意をしたけど、よく考えたら今日は土曜日だった。


ちょっぴり安心して、制服を脱いで、タバコに火をつけた。


(勇治に連絡しなきゃ…)



ケータイに勇治の番号を表示させ、発信ボタンを押した。




プルルルル…プルルルル…プルルルル…



(出ない…)


あたしは電話を切ってぼーっとしていた。




傷付いて、傷付けて、手に入る幸せって、どんな幸せなんだろう。



まだガキなあたしには分からない。



タバコの火を消して、ベッドに横になった。



天井をぼーっと見つめているうちに、いつの間にかまた眠ってしまっていた。



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