『一生のお願い、聞いてよ。』



目が覚めるともう夕方。


勇治からの連絡はない。


メールの問い合わせを何度も、何度も繰り返した。




もう、あたしたち、終わりなの?



次の日も、勇治から連絡は来てなかった。


親友の真央も、大好きな彼氏の勇治も、失ったあたしは、トボトボと外を歩いた。


いつもなら勇治に会えるとウキウキな日曜日。


やる気も何もない。


無意識のうちに、あたしは塾の前にきていた。


クビになった身、もちろん中には入れない。


先生、助けてよ。

あたしもう、どうしたらいいの?

分からない。

分からない分からない分からない分からない。


二階の教室の窓をぼーっと見上げた。





先生、教えてよ

この先、あたしに幸せはあるの?

先生ならどうするの?

人生経験豊富でしょ?

あたしの二倍以上も生きてるんだから

教えてよ


ねえ、先生






その時、子宮にひどい痛みが走った。



「いっ…!!!!」



痛みに耐えられず、あたしはその場に倒れ、意識を失った。







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