はじまりは政略結婚
なんて、我ながら苦しい言い訳をしたと思う。

そんな私の言葉を鵜呑みにするほど、彼も単純じゃない。

さらに、不審げな視線を向けてくる智紀の気をそらす為、テーブルに置いてあったリモコンを手に取った。

「海里の話ばかりしてないで、せっかくだから一緒にテレビでも見ようよ」

「何だよ、それ。テレビって……」

テレビ局の副社長の割には、私の提案に不平不満を見せている

だけど、その智紀を無視して適当にテレビをつけると、なんと本人が映っていてびっくりしてしまった。

「智紀が出てる!」

思わず声を上げると、隣の彼は少し恥ずかしそうに目を泳がせた。

「チャンネル、変えないか……?」

「何で? 智紀がテレビに出てるのって珍しいじゃない。私、少し見てみたいけど」

経済系の雑誌には、ちょくちょく出ているのは知っていたけど、テレビで見たことはほとんどない。

本当にだいぶ前に、真面目なトーク番組で見ただけだ。
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