はじまりは政略結婚
「智紀、ここでするの……?」

ソファーの上というのが抵抗あるけど、智紀はまるで気にする様子もなく唇を塞いだ。

そして私の体に伸びてくる手の動きに、こっちの理性も飛んでいく。

自然と彼の体に手を回し、甘い声を漏らすのだった。

少しでもいいから、自分を変えたい……。

智紀を好きな気持ちに素直になれたら、次はそう思ってしまう。

海里の時みたいなことを言われないように、彼に釣り合う女性になりたい。

智紀のお陰で、そう思えた自分が少し好きになった……。

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「なるほどね。由香からの呼び出しで、何かあったのかと心配したら、まさか美容院を紹介してくれって……」

休み明け、終業後に兄を近くのカフェへ呼び出し事情を説明すると、苦笑いをされてしまった。
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