はじまりは政略結婚
すると、兄は少し宙を見上げて考えてから、名刺ケースを取り出した。
「由香が、そこまで言うなら協力するよ。確か、名刺があったはずだ……。これこれ。この人を訪ねたらいい」
そう言って差し出してくれた名刺には、『MARINE代表 篠塚佐江』と書かれて
あった。
「マリン⁉︎ あの有名な美容院だよね?」
確か、予約が一年待ちと聞いたことがある超人気サロンだ。
その代表の人の名刺を興奮気味に見つめていると、兄のクスクス笑う声が聞こえてきた。
「やっぱり知ってたか。佐江さんは、涼子の担当さんでもあるんだ。オレからの紹介って言えば、切ってくれるから」
「ほ、本当……? だけど、代表なんてきっと売れっ子の方なんでしょ? 突然訪ねて大丈夫かな?」
いくら兄の紹介とはいえ、無茶な気がする。
だけど、兄は小さく頷くとニッと微笑んだ。
「大丈夫。由香は印籠を二つ持っているのと同じだから」
「由香が、そこまで言うなら協力するよ。確か、名刺があったはずだ……。これこれ。この人を訪ねたらいい」
そう言って差し出してくれた名刺には、『MARINE代表 篠塚佐江』と書かれて
あった。
「マリン⁉︎ あの有名な美容院だよね?」
確か、予約が一年待ちと聞いたことがある超人気サロンだ。
その代表の人の名刺を興奮気味に見つめていると、兄のクスクス笑う声が聞こえてきた。
「やっぱり知ってたか。佐江さんは、涼子の担当さんでもあるんだ。オレからの紹介って言えば、切ってくれるから」
「ほ、本当……? だけど、代表なんてきっと売れっ子の方なんでしょ? 突然訪ねて大丈夫かな?」
いくら兄の紹介とはいえ、無茶な気がする。
だけど、兄は小さく頷くとニッと微笑んだ。
「大丈夫。由香は印籠を二つ持っているのと同じだから」