はじまりは政略結婚
何が本心なのか、話せば話すほど分からなくなる。

「由香と別れて後悔してたというより、あっさり別れを受け入れられたことがショックだった」

「え……? 意味が分からないわよ。どういうこと?」

ギュッと握る手に力を込めた海里が、真っ直ぐ私を見つめた。

「アメリカへ行くのはオレのワガママだから、由香を巻き込めなかった。だから別れを告げたんだけど、本心としては待っていて欲しかったんだ」

「そ、そんなのメチャクチャだわ。私のことを、散々バカにした発言をしていたくせに……」

そうよ、今でも思い出すと悔しさやら切なさやらで涙が浮かびそうになるというのに。

なぜ今さら、後悔してただの待っていて欲しかっただの言うのだろう。

「バカになんてしていない。だいぶ、配慮に欠けたことを言っていたとは思う。
だけどそれは、由香の気持ちに甘え過ぎていたからで、バカにしていたわけじゃないんだ」

急に真顔になられて、心は戸惑うばかりだ。

「本気で言ってるの……?」
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