はじまりは政略結婚
耳まで赤くなった智紀は、恥ずかしそうに視線をそらす。

その姿に、私も一気に顔が熱くなっていくのが分かった。

「な、なんで、そんなことを知ってるの⁉︎」

両手を頬に当て、俯きながら頭の中を整理する。

まともに顔を合わせて会話をしたのは24時間ぶりで、夢の話なんてしていない。

もちろん、兄にも話していないのに、どうして分かったんだろう。

すると、智紀が恥ずかしさを隠すように、ぶっきらぼうに答えたのだった。

「迎えに行った朝、祐也が起こそうとした時、そう言ってたじゃないか。覚えてないのか?」

「え、えっと……」

思い出した。

確かに、夢の途中で起こされそうになって言った気がする。

あの時、智紀もいて聞かれてたんだ。

そう思うと恥ずかしいけど、こうなったら自分の気持ちにとことん素直になってみよう。

海里のことなんて、吹き飛ばせるくらいに。

「うん。夢を見てた。その時、気付いたの。智紀が側にいないのって、こんなに寂しいんだって……」
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