はじまりは政略結婚
彼女とも運良くすぐに繋がり、会いたいことを伝えると、すんなりOKしてくれた。

「じゃあ、由香さん。仕事の合間にしか会えないので、テレビ局の方へ来てくれますか? 部屋を伝えますから」

「ありがとうございます。すぐに行きます」

まさか、こんなに早く話が進むとは思わなかった。

兄には友達に会うと置き手紙を残し、急いでマンションを出たのだった。

タクシーを拾いテレビ局に着くまでの間、よくよく考えを巡らせてみれば、里奈さんなら涼子さんの写真を撮るのはできそうな気がする。

涼子さんのスタイリストを担当してるのだから、スケジュールも把握できそうだ。

それに、涼子さんが智紀を好きなことも知っていたし、それをよく思っていない感じでもあった。

だから、嫌がらせの意味で撮ったとも考えられるけど……。

智紀の足を引っ張ることにもなるのに、そんなことをするのかな……。

その考えも浮かび、半信半疑になる。

それに、海里と接触する理由も分からない。

「やっぱり、違うのかな……」

心にモヤモヤしたものを抱えながら、タクシーはテレビ局へ着いたのだった。
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