はじまりは政略結婚
気持ちが落ち着いてきたのか、涙を拭った里奈さんはもう一度、智紀を見つめた。
「ごめんなさい、智紀。ふたりの仲を引き裂こうとしたって、仮にそうなったとしても、やり直せるとは思っていなかったの。だけど、政略結婚という形で、簡単に智紀を奪った由香さんが許せなかった……」
絞り出すような声の里奈さんを、智紀はしゃがみこんだまま、ただ黙って聞いていた。
そして、少しの間の後に口を開いたのだった。
「由香がオレを奪ったんじゃない。オレが由香を奪ったんだよ。政略結婚なんて卑怯な手段を使ってね」
穏やかな口調の智紀に、里奈さんは伏し目がちにして呟いた。
「海里が、由香さんの元カレだっていう情報はキャッチしてたの。一応、顔は広いから。智紀も知ってるんだよね?」
頷く彼に、里奈さんは続ける。
「海里ね、日本で復帰とか言ってるけど、本当は思ったほど仕事がこないらしくて、かなり智紀を逆恨みしてたの。その事情も知って、私から持ちかけたのよ。涼子さんのことを」
「ごめんなさい、智紀。ふたりの仲を引き裂こうとしたって、仮にそうなったとしても、やり直せるとは思っていなかったの。だけど、政略結婚という形で、簡単に智紀を奪った由香さんが許せなかった……」
絞り出すような声の里奈さんを、智紀はしゃがみこんだまま、ただ黙って聞いていた。
そして、少しの間の後に口を開いたのだった。
「由香がオレを奪ったんじゃない。オレが由香を奪ったんだよ。政略結婚なんて卑怯な手段を使ってね」
穏やかな口調の智紀に、里奈さんは伏し目がちにして呟いた。
「海里が、由香さんの元カレだっていう情報はキャッチしてたの。一応、顔は広いから。智紀も知ってるんだよね?」
頷く彼に、里奈さんは続ける。
「海里ね、日本で復帰とか言ってるけど、本当は思ったほど仕事がこないらしくて、かなり智紀を逆恨みしてたの。その事情も知って、私から持ちかけたのよ。涼子さんのことを」