はじまりは政略結婚
「本当、無茶するよな。最初から、何か事情があって、オレのプロボーズを断っていたことくらい分かってたよ」

「そうだったの……?」

思わず顔を上げると、智紀は口を尖らせている。

「ああ。あの時も言ったろ? 目が違うって。それと……写真のことを知ってたのか?」

今度は心配そうな顔つきに変わった彼に、別荘で兄との会話を聞いたこと、涼子さんとのことも目撃したこと、そして海里に会った話をしたのだった。

話を聞き終えた智紀は、驚きで呆然としている。

よほど予想外だったのか、私を抱きしめる手も離れていた。

「まるで、全てを知ってたんだな……」

「うん。だけど、私は智紀を信じていたし、お兄ちゃんも涼子さんも大好きなの。だから、とにかく写真だけは、週刊誌に載らないようにって思って……」
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