はじまりは政略結婚
本物の愛の誓い
今年の11月3日祝日。

大安吉日と知り、私と智紀の結婚式が正式に決まった。

結納は、テレビ局とも縁の深いホテルで行われたのだけど、今まで感じたことのない緊張感で、胃が痛くなったのをあれから二週間経った今でも、ハッキリ思い出せる。

それなのに、智紀は余裕でこなしていったのだから、頼もしいと同時に少し自分が情けなかった。

夏も終わりかけた休日の昼下がり、リビングのソファーに寝転がった私は、窓から吹いてくる風に心地よさを感じていた。

「私も、もうちょっと度胸があったらなぁ……」

「度胸なら、充分あるじゃないか。ひとりで里奈に会いに行ってみたりさ」

書斎にいたはずの智紀に、しっかり聞かれていたみたいだ。

独り言のつもりだった私は、気恥ずかしさで座り直した。

「あの時は夢中だったから。結納の時なんて、緊張で胃が痛かったことが一番印象に残ったくらいよ」
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