はじまりは政略結婚
兄たちのことは、両家の両親も知っているらしく、結局知らなかったのは私だけだったらしい。

ふたりは、結婚式を邪魔してしまったと、そこにかなりこだわっていて、どうやって私に話をするか考えていたとか。

私が世間知らずなだけなのか、やっぱりその悩みがよく分からないけど、兄たちの心遣いは純粋に嬉しかった。

「やれやれ、やっと帰ってくれたからホッとするな」

夕飯まで一緒に過ごした兄たちは帰っていき、お風呂上がりの智紀がソファーに座り込んだ。

「そんな言い方をしなくてもいいじゃない。わざわざ来てくれたのに」

すでに寝支度を整えた私は、彼の隣に座って唇を尖らせた。

「だって、嫌なだよ。11月3日からは、祐也には由香に指一本触れさせない」

真剣な顔の智紀に、思わず笑いが出る。

「そんなに、お兄ちゃんとのことを怒ってるの?」
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