君の笑顔と青空と
沈黙を破ったのは増井だった。
「……ひっでえ奴」
「え?」
蚊が鳴くような声で呟いて、面倒そうに頭を押さえる増井。
「あいつ、ほんま俺の事嫌いよなー。冗談通じへんし」
「………」
なんとも励ます言葉もなくて、私は美紗を追うように教室を飛び出した。
その時、美紗の後ろ姿が見え、小走りに駆け寄って美紗の手首を掴んだ。
「美紗!あんな冗談ほんまに信じてるんっ?」
「信じてへんよ。あんなの増井なら平気で言うし」
「せやったら」
「それが逆に腹立つんやん……」
……今、なんて?