ずっと大好き…この恋は永遠…



「そういえばこないだ塚越の事聞いてきたろ?」


「あ〜…はい」


永井の口から出た名前に、みのりが曖昧な笑みを作る。


仲直りも済んで、浅井もしっかり断ってくれたらしいのに、なぜだかしこりがとれなくて…

微妙な気持ちで永井の続く言葉に耳を傾ける。


「商業部の本田先生っていただろ?

大会の度に、佐倉を助っ人に呼んでた先生」


「あぁ…はい」


あまり聞きたくない名前に、みのりが口元だけ苦笑いを浮かべた。


商業部の本田は…とにかく話し方も何もかもがねちっこくて、苦手な生徒が多かった。


だけど、人数の足りない商業部が大会に出る為に、2ヵ月に1回行われる大会の度に、毎回出るように頼まれて…

仕方なく…ねちっこい勧誘をそれ以上聞くのに耐えられず、クラスの友達と一緒に4回ほど大会に出た。


だけどそんな時に限っていい点数を出してしまって、余計に気に入られてしまい…

賞賛さえもねちっこい本田に、もう名前を聞くのもうんざりだとさえ感じていた。



「塚越な、商業部だったんだよ」


「…へぇ」


『よく耐えられたなぁ』そんな事を思いながら相槌を打った。


.
< 208 / 292 >

この作品をシェア

pagetop