ずっと大好き…この恋は永遠…
2..心の小さな揺れ
結婚式
7月28日、土曜日。
大安。
いつもなら仕事の浅井もこの日ばかりは有給を取った。
いつもはなかなか着ないチャコールグレイのスーツに袖を通して、ワインレッドのネクタイを締める。
髪も軽く後ろに流す。
用意が整い、タバコを1本吸い終えてから家を出た。
空は快晴で…
気分が軽くなるほどの晴れ具合に、浅井が手を目の上にかざした。
みのりの家の近くの駐車場に付いてからメールを送ると、しばらくしてからみのりが家から出てきた。
黒に少しシルバーの入ったワンピースは胸元が大きく開いて、支えるのは細い肩紐のみ。
その上に掛けた白いストールをふわふわ揺らしながら歩いてくるみのりに、浅井が口元を緩める。
いつもとは違い、少し派手目にアップした髪も歩く度にふわりと揺れていた。
「あたしおかしくない?」
助手席のドアを開けるなり不安な表情を見せたみのりに、浅井が微笑みながらみのりを見つめる。
「おかしくねぇよ。
つぅか…」
いつもよりも大人っぽく見えるみのりに、浅井が少し照れて言葉を濁す。
「さて、行くか」
誤魔化すようにエンジンを掛けた浅井に気付かない様子のみのりが、バックから今日の招待状を取り出す。
7月28日。
沙紀と崇の結婚式。
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