雪の涙
「そんなの知ってた!!」

親父の言葉をさえぎるように言った。

「それでも繋ぎ止めときたかったんだ。葛城組に!!居てほしかったんだ!!」

「九代目…。ありがとうございます。こんな裏切り者の為に…。でも、もう俺の力じゃあどうしようもないほど事は進んでいる。最後に選択するのは貴方だ」

蒼龍は親父を突き飛ばして出て行った。

「蒼龍…」


一方…

「彩花!!お前、九代目に何いいやがった!!ばれちまったじゃないか!!」

蒼龍は彩花に叱りながら基地に入った。

「で、あいつはどうだった?」

彩花は蒼龍を無視して話を進めた。

「別に…」

「ふーん…つまんない…。で、あいつの事見といてよ。騒がしい」

「吹雪の事か?」

「そうよ。私は少し出掛けてくるわ」

「了解」

蒼龍は吹雪のいる部屋へ向かった。

「吹雪?尚凛だ。入るぜ」

「うん」

部屋の中は家具も無い白い部屋だった。

「兄上。作戦は順調?」

「勿論。これで邪魔者が一気に片付く」

「そう、良かったわ。いつ決行?」

「今夜だ」

「了解」

蒼龍は部屋を出た。

「今夜…。どれだけ待ち焦がれた事か…。ようやく全てが手に入る」

そして、夜。

彩花は葛城組に公園で待つと、伝えた。

葛城組と鹿塚組の戦争が始まろうとしていた。

公園に着くと、彩花と吹雪が居た。

「九代目。貴方はどちらが好きなんですか?場合によっては、この戦争が防げるかも知れないんですよ」

「蒼龍…。俺は…
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