雪の涙
「はい♪」

「えっ!?結婚するんですか!?」

「仕方ないだろ」

「仕方ないって……」

「ほらほら、邪魔者退散ですよ♪♪」

蒼龍は彩花に背中を押されながら出口へ向かった。

「彩花さん!!こんな手を使っても組長が許すはず無いですからね!!!」

「結構よ。始まりは無理矢理でも最後は惚れさせれば良いのよ♪じゃあね〜♪邪魔者さん♪」

この時、俺は気がついてなかった。

俺が簡単に彩花と結婚を決めたことをどれだけ後悔することになるか…

どれだけ蒼龍を傷つけたか…

「彩花!」

「は〜い♪どうしたの?」

「今日は帰ってくれないか?疲れた」

「…は〜い♪んじゃ、また明日ね♪」

俺は知らなかった。

知っていたつもりだった。

この極道の世界の事は全て知っているつもりだった。

でも、知らなかった…。

こんな事になるなんて…。

しなければ良かった…後悔ばかりが募る…。

「組長?彩花です。とりあえず結婚するそうです。例のは?あっ!なら大丈夫ですね。じゃあ、正式に結婚してから作戦開始で…。遂に滅ぼせるんですね。憎き葛城組が…」
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