車椅子から見える愛
かりんはほんとに可愛く笑ってくれる。
あのときも六甲山で写真を撮った。
ニコニコと笑った写真。
障がいがあることが嫌とかいうことよりも、かりんの笑顔を見ていると普通に育つとしか思えなかったのだ。
ドーマン法。
この訓練でかりんは普通に歩けるようになる。そう信じた。
訓練には常に3人の手が必要である。
一人が頭を左右に動かし、あとの二人が手足を曲げたり伸ばしたりする。
月に一度、訓練の指導を受けて、あとは手伝ってくれる人を自分で探さなくてはいけない。
このことは、かりんの言葉でも書いてあると思うので、省略するが、結局人手がみつからず断念するしかなかった。
ドーマン博士の生み出した訓練法。
脳を騙して脳を正常に戻す。
簡単に言えば。
日本でドーマン法をして脳障害が治ったという人はいるのだろうか?
奇跡のような話である。
実際、R病院の整形外科の医者にドーマン法を受けると言うと
「お母さん、奇跡なんか起きませんよ」
と言われた。
そのときは今に見てろ!という気持ちが怒ったのだけど、やはり奇跡は起こらなかった。
たぶんドーマン法を続けていてもかりんの脳障害は治らなかったのだと思う。