Blood Tear
彼の背後から腕を回し首を絞める、水色の髪を団子に 結った小柄な女性。
彼女はオレンジ色の瞳で彼を鋭く睨む。
「正直に不味とは言ってねぇ!」
「同じや!それに、獣は立ち入り禁止!」
彼女の指差す先には見慣れぬ標識。
【獣立ち入り禁止】
と書かれていた。
「…ぐ、ぐるしぃ……」
更に首を締め上げられ、苦しそうに顔を歪ませながら彼女の腕を叩くが彼女は容赦する事はない。
そんな2人を呆気に取られ呆然と見つめる茶髪の男性。
「ん?あら、よぅ来はったな~。座って座って」
立ち尽くし冷たい視線を向けるコウガを目に彼女は腕の中の彼を放す。
崩れ落ちる彼を放置し眺めの良い窓辺の席へと案内する。
解放された男性は死ぬかと思ったと呟きながら向かいの席へと足を進めた。