Blood Tear


1人座り込むクレアはコウガ達の姿が見えなくなるのを確認すると、何事もなかったように立ち上がり大きく伸びをする。


一度ゆっくり深呼吸をすると長い銀髪を風に靡かせながら意識を集中させるように瞳を閉じた。




暫く目を閉じ神経を研ぎ澄ませる彼女は何かに反応し鎌を手にすると振り返りながら猛スピードでそれを振り下ろす。




 「……!」


 「危ないなぁ」


瞬時の反応。

目にも留まらぬ速さで振り下ろした筈なのに、背後に居た人物は鎌の柄を掴みその攻撃を防ぐ。




 「…何故貴方が此処に居る……?」


攻撃を止められ不満を露わにするクレア。

彼女の鋭い瞳に映るのは、藍色の髪に紺の瞳、緊張感のない笑みを浮かべる男性、ジークである。


こんなふざけた相手に攻撃を交わされたのかと思うと腹が立つ。


クレアは鎌の柄を掴む彼の手を払いのけると大事そうに鎌を撫でた。




 「何故戻って来たのか……愚問ですね。この人数、貴女1人で相手にするつもりですか?」


彼女の問いに鼻で笑うジーク。

先程までの笑みは消え、鋭い瞳で前方を睨み殺気を身に纏う。


異変に気づいたクレアも目を細め、辺りを見回し今の状況を把握する。




何時の間にか敵に囲まれていた2人。

数にして50。

武器を手に彼等は攻撃の時期を見定めていた。




 「…この位、どうって事ない……」


 「強がっちゃってぇ」


クレアは鎌を握りジークは刀を構える。


2人は背中合わせに立ち戦闘態勢をとるが、彼等は周りを囲む大勢の敵ではなく、少し離れた所で様子を伺う白衣の男と屋根の上で待機する2人の少女の姿を見つめていた。










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