Blood Tear
コウガ達が居るレンガ造りの店が見える丘の上。
そこにはフードを目深に被り、黒いローブを身に纏っ た2人の人物がその店を見つめていた。
「……バレたみたいだな」
そう言うと、長身の男はレンガ造りの一軒家に背を向 け歩き出す。
しかし、もう1人の細身の人物はその場から動かない。
「…ライア」
顔を後ろに向け名を呼ぶが、ライアと呼ば れた人物は未だ動かず。
「……会いたい…」
蚊の鳴くような声でそう呟き唇を噛む。
すると…
「あぁぁーー!!」
唸るような声…
上空から感じた殺気…
何者かがライアに攻撃を仕掛けてきたのだ。
地を蹴り高く飛躍した人物、レオンは力強く拳を振る う。
目にも留まらぬ速さで振り下ろされた拳だったが、そ の攻撃はライアには当たらず地に大きな穴を開け窪ませた。