Blood Tear
長身の男はライアの裾を引き自分の胸へ引き寄せるとレオンを睨む…
互いに威嚇しあっていると、もう1人の人物がその場に現れた。
鋭い剣を手に怒りを含む瞳で睨むコウガである。
彼は猛スピードで男に立ち向かい距離を縮めるとすぐさま斬りかかる。
煌めく刃を目にしながらも男はライアを背に守り避けようとはしない。
このままコウガの剣が男を斬る筈だった。
が、
「!?」
男は片手で振り下ろされた剣を掴み、何事もないよう にコウガを睨む。
男は刃を掴んでいる筈なのに、傷一つ負っていない。
「何か勘違いしてるようだが……どうする?ライア… ?」
平然とした態度で背後に守るライアに問う男。
するとライアは彼のローブを強く握った。
「わかった……」
それを答えと受け取った男は剣を払いのける。
「…クッ……」
軽々と払いのける男だが、それは物凄い力で、コウガ は突き飛ばされバランスを崩すと尻餅をつく。
素早く身を起こすが既に其処には2人の姿は無く……
膝を折るコウガは拳を握るとそれを地面に叩きつけた。